シニア再就職の理由

高齢者人材の再就職理由からみるシビアな現状

シニア再就職の理由は、「生活のため」と「やりがい」が同率1位

2018年11月、中・高年者に特化した人材派遣会社マイスター60は、「働く再就職シニアの実態調査」を行い、60歳以上の男女計150人から回答を得た。

そこで一番の注目項目となったのが「再就職し、派遣社員として働こうとした理由」であった。

最も多かったのは、生きていく上での収入面を意識した「生活のため」と、自身の存在意義を意識した「やりがい・生きがいを求めて」の50.7%であり、2つは意外にも同率だったのだ。

これがどれほどの意外性を持つかという比較対象として2012年に行われた東京大学高齢社会総合研究機構が「就労セミナー」に参加した柏市のシニアに対して実施した就労意識調査結果における「あなたが働くとしたら、次にあげる理由はどのくらい重要か」のデータを見てみると、「達成感が得られる」、「新しい人と知り合いになれる」の順で重要度が高く、「収入が得られること」は上位の理由にはなっていない。

この調査から分かるように、ここ数年で「やりがい・生きがい」よりも切実に「生活のため」という理由が増えてきている。

これにはどういった背景が考えられるか。そこにはやはり年金支給開始年齢が65歳に上がったことに起因すると考えられる。

60歳で定年退職し、住宅ローンを退職金で一括返済し、年金支給開始までの生活費を補うというパターンが増えてきている。

また、近年は多様な生き方が認められてきており生涯独身を貫く未婚者や、熟年離婚の割合が増加傾向にあることからそれに伴い生活面を考えた再就職が増加傾向にあるのは当然のことだと言える。

企業のシニア活用は急務の課題

とはいえ、雇用者側からして見ても、シニア層の再就職には大いにメリットがある。

例えば、派遣先が同業界であれば豊富な知識があるし、実務遂行能力が高く、採用コストも安い。

本人のキャリアを考えた仕事を与えられれば、生活面はもちろんのこと「やりがい・生きがい」を見出し、可能な限り長く社会に従事し双方に満足感の得られる結果となるであろう。

これには派遣紹介者側があらかじめ派遣先の要望と本人の要望をしっかり理解しより多くキャリアを生かした派遣先のマッチングが行えるかどうかにかかっている。

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